日本農業技術検定試験 合格者体験記 平成29年度

大都会東京の農業を支えるJAの人材育成のため日本農業技術検定を推進

 JA東京中央 営農経済部 西貝洸輝

 JA東京中央は平成8年に世田谷区、杉並区、大田区の6つのJAが合併して誕生し、大田区、品川区、世田谷区、目黒区、杉並区、新宿区など東京でも特に人口の多い地域を事業区域として、農業の発展と地域社会への貢献を目的としています。
 当JAの職員数は約330名で本支店15店舗があり、これまで営農経済部が主に営農指導員を対象として各種研修会を実施していましたが、平成28年度から研修の到達点の確認のために日本農業技術検定に取り組んでいます。
 平成29年度は第1回、第2回の合計で3級52名、2級32名、1級2名が受験しました。営農支援課が当初は窓口になりましたが、現在では金融・店舗の職員も検定に取り組み、組合員と接しても以前と比べてより相互理解ができるようになりました。なお、本検定の受験経費については世田谷区産業振興公社から各種資格取得の助成事業の適用を受けています。

「一致は力なり」―クラスで目標を共有することが大きな結果を生み出す

 大分県立三重総合髙等学校 3年3組担任 吉松泰介

 大分県立三重総合高等学校は、地域の4校が発展的に統合し平成18年4月に開校した学校です。今回2級最優秀校を受賞した生物環境科は1年次の1月に3級を受検し、40人全員合格、平均点84.3点を達成したクラスです。「一致は力なり」のクラス目標の下「やろう」という呼びかけに即応じる行動力のあるクラスだと感じています。
 2年次は修学旅行と日程が重なり受検はできませんでしたが、3年次に全員で2級を合格し、その勢いで進路目標も達成しようを合い言葉に放課後の補習や日々の課題に取り組んできました。進路指導や農業クラブ連盟事務局校として県大会の運営などに時間を割かれる中、クラス全員で受検した7月は23人が合格(合格率58.9%)、希望者受検の12月は6人が合格し、クラス39人中29人の生徒が2級を取得(取得率74.4%)という結果は健闘したと思っています。
 「日頃の授業の取り組みが検定結果につながるという信念から、検定対策のためだけの授業はしない」「実習時の一つ一つの作業の意味を理解させる」「1人1人が集団の成員としての自覚と責任感を持ち、目標達成に向けて最後まで諦めさせない」ことを常に心がけ取り組んできました。クラス全員で目標を共有することで「合格したい」という気持ちではなく、「合格してみせる、合格しなければいけない」という雰囲気が自然と生まれ、励まし合いながら頑張っていました。7月の2級検定に合格できなかった生徒が16名いましたが、進路も決まり、いわば資格取得の意味が薄れる中、12月に再挑戦をした14名の生徒、1級を受検した8名の生徒が出たことは損得を抜きにした生徒たちの志の高さに担任として感銘も受けました。
 進路指導の面接練習で「高校時代で一番頑張ったことは何か、またそこから得たことは何か」という質問には、ほとんどの生徒が全員で本気で取り組んだこの検定のことを堂々とした表情で語っていました。仲間と目標を共有することの素晴らしさ、そしてその目標達成に向け個々が本気で取り組む姿勢の在り方を本検定で知ることができたと思っています。4月からそれぞれの進む道は異なりますが、それぞれの場面で今なすべきことに全力を尽くせる人間であり続けて欲しいと願います。

お問い合わせはこちら一般社団法人 全国農業会議所 日本農業技術検定試験事務局

住所
〒102-0084東京都千代田区二番町9-8 
中央労働基準協会ビル2F
メール
kentei@nca.or.jp
①団体所属名、②お名前(必須)、③メールアドレス(必須)、④お電話番号、⑤お問い合わせ内容(必須)を明記して下さい。
公式SNS